第5教室:『ナナ』(エミール・ゾラ)『椅子直しの女』学習済み

エミール・ゾラの『ナナ』を読みながらフランス語学習をする日記です.よろしくお願いします.

椅子直しの女(71)(モーパッサン短編集より)


椅子直しの女(71)
LA REMPAILLEUSE

    
———————————【71】——————————————
 
 Il  reprit: « Donnez  toujours,  puisqu'elle  vous  en  a
chargé; nous  trouverons  bien  moyen  de  l'employer  à
quelque  bonne  œuvre.»


..———————————(訳)——————————————
 
 主人は言葉をついだ.「それでもやはりお金は渡して下さ
い.それをあの女があなたに委託したものなのですから.
私たちは何かいいことのために使う方法を見つけてみます.」

  
.———————————〘語句〙——————————————
           
reprit:(3単単純過去) < rependre (他) 言葉を続ける
  言葉をつぐ、答える;本文では:以下が目的格補語
    に相当するのだと思います.発話動詞でははっきり
    目的語が示せないこともあり、自動詞と他動詞の
    両面があるようです.たとえば挿入の場合:
    «Oui, reprit-il, tu as tort.» 「そうさ」と彼は言葉をついだ.
    「君は間違っているよ」     
toujours:とにかく、いずれにせよ、それでもやはり
  【文頭に来ると主語と動詞は倒置】
  Si je n'ai pas réussi,  toujours ai-je fait tout mon possible.
    成功はしなかったが、とにかくできるだけのことは
  した.     
charger:(他) (に) 委託する、委任する 
    (に)…を負わせる、課す     
œuvre:(f) 慈善事業
     bonne œuvre となれば「慈善事業」にほぼ間違いない
    意味になりますが、おそらく、これはシューケ氏の
    まやかしの言葉で、「(自分たちに)いいこと」に使う
    という下心のようです.尚、œuvre は辞書には
    「仕事」「行為」「活動」とあります.