第5教室:『ナナ』(エミール・ゾラ)『椅子直しの女』学習済み

エミール・ゾラの『ナナ』を読みながらフランス語学習をする日記です.よろしくお願いします.

椅子直しの女(36)(モーパッサン短編集より)

 
椅子直しの女(36)
LA REMPAILLEUSE


———————————【36】——————————————

   Quand  elle  revint,  elle  avait  deux  francs  dans  
sa  poche,  mais  elle  ne  put  qu' apercevoir  le  petit
pharmacien,   bien  propre,   derrière  les  carreaux  de  
la  boutique   paternelle,   entre   un  bocal  rouge  et
un  ténia.  


..———————————(訳)——————————————

 (椅子直し巡回で)彼女が再び戻ってきたとき、ポケ
ットには2フラン持っていました.しかし彼女はあの
薬屋の清潔な男の子はその父の店の窓ガラス越しに、赤
い広口ビンと薬剤の条虫の間に垣間見ることしかできま
せんでした.
  

———————————〘語句〙——————————————
            
pharmacien(ne):(名) 薬剤師、ここでは「薬屋」     
propre:(形) 清潔な、きれいな
  Tu as les main propres ? / 手はきれいなの?     
carreau:(m) ①化粧板、タイル;❷窓ガラス、③格子縞    
boutique:(f) 店、売店   
paternel(le):(形) 父の     
bocal:(m) 広口ビン  
ténia:(m) さなだ虫、条虫  
        
       
——————————《ひとこと》—————————————————

広口ビンとサナダ虫の間に少年の姿を見た、というわけ
ですが、サナダ虫は人体に宿る寄生虫なので、室内をう
ろうろすることはありません.おそらく、薬の原料とし
て調合する乾燥条虫なのでしょう.サナダムシに関して
は現代でも感染者は多いとのこと、サケやマスが感染源
と言われているので、しっかり火を通してお召し上がり
下さいませ.以前テレビのコミカルドラマ(ドクターX)
で、火を十分に通さない豚肉を食べて有鉤条虫(これも
サナダムシ)に脳内を冒されたという話がありました.
豚肉も火はしっかり通していただきましょう.